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対談インタビュー

大学文科系部門上位入賞校
愛知大学現代中国学部

梅田 康子教授 

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   横浜デザイン日本語学科 佐久間 みのり

   友ランゲージアカデミー 白石 佳和

昨年唯一関東地方以外から入賞した愛知大学・現代中国学部の梅田康子教授にお話を伺いました。梅田教授が週末東京にいらっしゃるということで突然のお願いにも関わらず、快くインタビューを受け、1時間以上も大学の魅力や受賞についてお話しくださいました。

まずは、受賞にあたっての感想をお聞かせください。

とにかく驚きました。しかも、受賞校の中で唯一の地方大学で、また関西のような大きい地域でもないので、「なぜうちが?」と、びっくりしました。

 

投票理由としては、梅田教授の現代中国学部への評価が高かったようですね。「国際化=アメリカナイズからの脱却」「中国の学生が自分の国を再認識でき、卒業後のビジネスに直結する」「日本人学生との交流が多い」などの理由がありました。梅田教授としてはどのような点が投票につながったとお考えですか。

本学には、もともと中部地方をはじめ、西日本や、全国から受験者が来ていました。出身も中国だけでなく、アジア諸国やロシア、欧米など様々な国から来ています。特に留学生が多いのは現代中国学部と、国際コミュニケーション学部です。現代中国学部には1学年が200名ほど、そのうち留学生は30名ほど在籍していて、中国出身の留学生がとても多いです。

 

中国語母語の留学生以外、全員が2年次に中国へ留学するので、日本人学生と中国人学生はお互いを語学の勉強相手として交流しています。もちろん、就職活動のときはライバルになりますが、愛知県は製造業が多く、留学生の就職率は高いんです。そして、日本語・中国語の他に力を入れているのは英語です。どこの出身であれ、グローバル人材を目指すからにはこの3言語は重要なので、英語と中国語が両方学べる東南アジアへの英語留学なども企画しています

 

 また、「さくら21プロジェクト」という文科省のグローバル人材育成推進事業に採択された取り組みがあり、これは日本人の学生が「日本発信力」を身につけることを主目的にしているのですが、留学生にとっても日本を理解し考える場になっています。このようなプロジェクトを通じて日本人学生、留学生の交流を図っていますが、特に、日中関係を日本、中国以外の視点から見るということは日本人にとっても中国人にとっても必要なことだと思っています。

 

本当に、日本人学生にとっても留学生にとってもお互いが学びの相手になるんですね。

留学生は数合わせのために受け入れるのではなく、日本人学生にとっても留学生にとっても、互いに受け入れ、高め合い、グローバル人材・ブリッジ人材につながる交流ができるように考えています。

 

受賞後、何か変化はありましたか。

大きな変化、というほどではありませんが、昨年度はよく「日本語学校の先生に勧められてこの学校を受験することにした」という留学生がいました。

 

やはり日本語学校側としては、地方の学校はどんな学校か生の情報が少ないので、勧めにくいということがあるのですが、このようなアンケートでまさに生の口コミがあると、地方の学校でも勧めることができますよね。

愛知大学には留学の受け入れ、送り出しをする国際交流センターという部署があるのですが、留学生の面倒見がいいと好評なんです。留学生を数合わせではなく、本当にしっかり見てくれていると近隣の日本語学校の方も評価してくださっています。

 

今後の抱負をお聞かせください。

入学した留学生の多くが、日本の大学に入れば自然に日本人の友達ができると思っているようですが、実際はそんな自動的に日本人の友達ができる訳ではないんですね。学生の自発的な動きに任せるだけでなく、やはり何かこちらが交流の仕掛けを作らないと。まずは一緒にお昼を食べる会とか、インターナショナル・カフェとか日本人学生と留学生が交流できるような企画をいろいろ考えています。

 

最後に、大学や愛知県のPRがあればお願い致します。

地方大学唯一の受賞ということでしたが、名古屋市は町の規模としては生活しやすいちょうどいい大きさだと思います。生活費も東京と比べると安いですし、店や工場などの数も多いので生活やアルバイトの心配もありません。それと、愛知県の人はとても親切なので、留学生の皆さんも安心して学ぶことができると思います。

 

本日はどうもありがとうございました。

大学の文系部門賞を受賞した明治大学の国際教育センター長の横田先生を、この春開校したばかりの中野の新キャンパスに訪ねました。日本語学校との連携モデルを早くから提唱、実現された日本留学受入れの第一人者ならではの、中身の濃いお話しをうかがうことができました。

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